2017年3月2日木曜日

祖国極寒奇襲下陸作戦 in 長州 しょの壱

 事の発端は昨年のBaliの海。
偶然K教導隊長を通じて知り合った旅行中のインストラクターH氏。
彼の地元が山口県。そして今年から働くのが長門市の青海島ダイビングセンターなのだった。
そーゆー訳で私が一時帰国した際に青海島で潜る事になったのだ。


ま、Baliで知り合ったインストラクターH氏はその頃Baliに新婚旅行だったがな。
ブルーパラダイス参照 
そんじゃぁ一緒に潜りませふ。っつ-事でイチヂカン中尉とコロッケ・スナイパーも合流する運びとなった。
私は30年振りにドライスーツを着用することになる。
イチヂカン中尉にとってはドライスーツ童貞卒業の日だわ。
あ、こー書くとジェンダー的に問題があるかも知れんから
ドライスーツ処女喪失の日だ。
こー書き足せばエエんか?

 青海島:
過っては沿岸捕鯨基地として栄え、今では日本百景の一つに数えられ北長門海岸国定公園として本州の仙崎と青海大橋で繋がっている美しい島。
海上アルプスとも称され、多くの奇岩が海に並び立ち沢山の観光客が訪れる。
多くの島が砂州によって繋がって一つの島を形成しているらしい。
一番高い地で海抜約320m。

 日曜日の朝、私は前日からレンタルしておいたマツダのデミオにカメラとライト付きハウジング、そして防寒インナーを積み込み出動。
前日夕方に東京駅を発ち夜の十時半頃に新下関駅近郊のビジネスホテルに前宿していた、イチヂカン中尉をホテルの朝食サービスが始まる前に迎えに行く。
高速道路入り口へ向かう途中、
イチヂカン中尉は朝食用として東京で購入したという鯖の棒寿司を膝の上に乗せ、
鯖寿司購入時の店員のサービスに対する苦情をひとしきり語る。
「もうねぇ、何て言うの。外国人従業員ってばさぁ。日本人かと思ったけどアレは絶対外国人よ。」
「アタシがお箸を付けて下さい。って言ったのにさぁ。完全無視なのよぅ。」
「絶対アノ店員は日本語が通じないのよ。信じらんない。」
私が「ノルウェーで殺害され、東ジャワのグレシックで解体され、日本で調理された鯖やもしれぬ。お主が躊躇うならば拙者が有難く手掴みで食し申そう。」
と話す。
信号待ちでイチヂカン中尉が箱を開ける。
箱の裏にはキッチリと箸にツマヨウジにお手拭きが…。
”他人を疑う前に自分を疑え”
まぁ、平常運転のイチヂカン中尉嬢なのである。

 高速道路に乗った車は美祢西ICを目指す。昨年の11月に更新した黄金色運転免許証を汚したくない私は制限時速+20km/h以内を心掛ける。
っつーか、流れを乱さぬ運転ジャッ。追い越し車線へ入るのは生きの良い生贄が先行する時だけよぅ。
高速を降り、安倍・プーチン会談が行われた長門湯本温泉を抜け、仙崎市街から青海大橋を渡る。青海島の道路は当然海ベリを走る。
イチヂカン中尉「ひょっとして此処は青海島?何か島っぽくない?」
いやいや、運転手に訊かずともナビにソー出ているやん。
駐車代一金500円也を支払い駐車する。
コロッケ・スナイパーの愛車が既に後部ドア全開で停車している。
我々も降車しダイビングサービスの事務所へ。
そこでコロッケ・スナイパーと合流。
宣誓書云々に必要事項を記入して今回我々のガイドをして下さる三好痛風教官によるブリーフィングが始まる。
設備の案内の後にコロッケ・スナイパーによる、当日朝の博多から青海島迄の極めて高額な交通費についてのデ・ブリーフィングを皆で聞く。

 九州の高速道路は一部を除いて時速100km。
スナイパーはオートクルーズ設定を時速115kmにして走行していた。
本州、山口県に入ってもそのまま走っていた。
そしたら、後から走ってきたクラウンが、あ~ら不思議、警察車両に早変わりよぉ。
交通安全対策特別交付金基金に一金壱万八千円を寄付する羽目となったのだった。
赤色灯の点灯代金は少々お高いのね

 気を取り直してのお着替えタイムである。
私はヒートテックの長袖+そこら辺のホームセンターだかドラッグストアだかで見切り品価格380円で購入したフリースの長袖。
下半身には矢張りそこら辺のホームセンターだかドラッグストアだかで見切り品価格345円で購入したフリースの股引(前開きつまみ出し口付)+照れ隠しの短パン。
どちらも使い捨てでも惜しくはない。
生まれて初めての股引だわ。
ちなみに今の中年以上の男性は股引きとかジジ臭いものは敬遠しがちらしい。
むしろ、若い年代には全くこだわりが無いんだそーな。豆知識な。
 足元は化学繊維の安物靴下の上に更にSingapore 航空機内で貰った踵の無い化繊で薄ら厚めの靴下。
その間には靴用使い捨てカイロが挟まれている。

ドライスーツは密閉するので背中に酸化鉄で発熱する使い捨てカイロを貼ってもあまり意味がない。
せめてもの慰みが足先のカイロなのであるよ。【by 三好痛風教官】

 そしてドライスーツの装着だ。
私に用意してくれたのは、私のオッパイと腕に合わせてくれたLサイズ。胴体と足が少々余るが致し方ない。
イチヂカン中尉にはSサイズ。
スナイパーは自前のスーツだ。
両足を通し、スーツを胸元まで引き上げる。
スーツ内に固定されたショルダー・サスペンダー・ベルトを肩に通す。
早速イチヂカン中尉がサスペンダー・ベルトを股間に通すという美味しい芸当を披露してくれた。
先に両腕を通し、頭を通す。
又々イチヂカン中尉が唸りだす。
頭を袖に通してドォ~する?!それではトコシエに頭は出てこぬ。
お前はエスパー伊東か?
今度は首のネオプレーンゴムに顔を押し付け苦悶しておる。
仕上げにアンクル・ウェイトを両足に装着すれば取り敢えず一段落だ。

 我々は40m程移動して船越ビーチに移動すれば良い。
残りの装備はショップが台車で運んでくれる。
さぁショップから移動しようとした時にイチヂカン中尉が声を上げる。
29km/h の速度違反と言う温情判決を受け取っての動揺が続いているのか、スナイパーの愛車のドアが全開のままやん。
イチヂカン中尉はソレを指摘してくれたのだ。
取り敢えず、数秒間程度、スナイパーはイチヂカン中尉に敬意を表さねばならぬであろう。
そして、ようやく3人が船越ビーチに向かって歩き出した。
途端にイチヂカン中尉が「何か歩き辛いよぅ。」再び声を上げる。
そう言えば彼女はビッコを引いている。
んで、奴の足元を見ればアンクル・ウェイトを二つ共、右足首に取り付けているやん!
「いやぁ、初めてのドライスーツなもんでさぁ…。取り敢えずアンクルウェイトを足首に付ければ良いのかな~。ってさぁ、そう思うよね。」
初めてのアンクルウェイトだって片足にだけ装着はしないでしょ?!
彼女のヤッツケ仕事属性っつーか、ズボラな性格がストレートに出現されておる。
彼女は素面でソレをやってのけるから素晴らしい。


 やっとの事で船越海岸に辿り着く。
我々は分厚いフードや防寒グローブも借りるのだが、スナイパーはインドネシアで購入したペラペラの指出し手袋にフード無しだ。
(海に入った途端にその冷たさに音を上げてフードを借りていたがな。)
三好痛風教官に習ってビーチから海に入る。
フィンを履き、BCのエアを全部抜いてみる。
腕組みをし、左腕を上にして排気バルブからエアを抜く。
う~む。沈まんだろーな。
ウェイトをBCのポケットに足してもらう。


 いよいよ潜行だ。
海水温度は13.5℃。
ナマコ漁の底引き網が通った後って事と、荒い日本海のウネリで視界は5m程。
先頭は三好痛風教官。
そして我々痛風潜水隊。
シンガリには薩摩隼人アシスタント。
海藻が豊富。って事は握り拳より一回り小さいサザエやアワビが沢山。
ウニも豊富

憧れのサザエ

あわびぃ

嗚呼、人知れず深夜ダイブしたひ・・・。
サージングの中、船越ビーチを330°の方向に進み海中洞窟へと侵入する。







まぁ、何度もこの島で潜っているスナイパーには悪いがチェックダイブだ。
30年のブランクが有れども何とかドライスーツのコツは思い出した。
イチヂカン中尉も無事に中性浮力を維持し、うごめいている。
水深5m前後&サージングの最中だから中性浮力や姿勢維持もシンドいのにね。


帰途でタンクが動く気配を背後に感じた。
スナイパーに装着し直してもらう。
先行する三好痛風教官&イチヂカン中尉にはハグレたが、スナイパーと共に無事に浮上。
潜行時間が50分弱。
精々深くても7m程度の水深だった。
よって安全停止を常に行っている状態だ。
しかし、30分を過ぎた辺りから冷えてきたっすな。
何度スーツ内で漏らしてやろうかと思ったことか。
こりゃぁ、普段の南方のヌクヌクなぬるま湯で楽している実感を改めて感じますな。
海辺の犯らかし魔女


0 コメント:

コメントを投稿