2016年11月25日金曜日

祖国逆上陸 肉欲巡行作戦(しょの参)

 今回の作戦の最大の問題は胃袋の消化力である。
質実剛健・剛力無比なる、消化剤がインドネシアのアポテックで入手可能だ。
それがEnzyplexだ!
私は予めインドネシアの薬局で大人買いをしておいた。
自らで人体実験も検証済みだ。
帰国前にBaliの美味しくて安心で安い「天咲」で試した。
カツオのたたき・鶏皮唐揚げ・イワシのハラ身・名古屋風手羽先揚げ・仕上げにカツ丼&冷やし釜揚げうどん、と暴食を試み、食後直ぐに服用した。
実験の結果、普段なら絶対に胃もたれで苦悶するはずなのに・・・効きますね。
脳内では食べ過ぎ警報がウナリを上げている。しかし体内では何のアラートも発せられていないのだよ。
これで日本の薬並みな爽快感が足されれば完璧だ。
"薬"故に使わないに越したことはない。


 いよいよザンビア共和国の里「敦賀」に舞い戻る。
敦賀の街は原発マネーの偏見を物ともせずに建物は立派っっぽい。
もんじゅ廃炉で消沈しがちな地元の気分を吹き飛ばして、居直って、ヤケになって、「メルトダウン祭り」とかを犯っても良いと想うの。
きっと盛り上がるよぅ。
敦賀市内の他人様の会社じゃね?
敦賀駅で一旦解散する。夜は酒成分を浴びる予定なので、『わ』ナンバーのBMWは車庫に仕舞われる。
そして各員が適当にバラバラに予約したホテルへチェックインの為に散るのだった。
あえてバラバラにホテルを予約。翌朝、各員の体験談等が集まる訳だ。
ヒゲヒゲ・スナイパーは駅から徒歩3分のHPに騙されて実際には歩くと30分の宿だ。インド人が運営するカレーの店が地下に入って居るホテルだ。
王子は安定の大浴場付きホテルだ。
前もって皆にメールで「私の予約したホテルはエレクト・インだよ~。グッフッフ。」って告知したのに・・・。
せっかくバラバラにホテルを押さえていたはずのに・・・。
イチヂカン中尉「私が予約したホテルはセレクト・インだから皆んなバラバラだね。」
中尉殿ってば・・・。結局同じホテルやんけ。
だが此のホテル、実は夕食のカレーが無料で食べ放題。Web上では味が絶品!と書かれているではないか。
今から寿司屋に行くのに・・・意地汚くも一応食べておく。
美味い!実に美味い。寿司屋に行く予定がなければ2杯半は食せる絶品であった。
私がカレーを食べているのを見つけたイチヂカン中尉も食べてしまった。
その後にEnzyplexを服用したのは当然だ。

 夕食はKスケ嬢から入手した情報に従って「一本槍」だ。小賢しい定価の無い由緒正しいお寿司屋さん。
駅前のホテルに陣取る王子は徒歩で向かう。中途半端な距離のホテルをとった私とイチヂカン中尉は面倒なのでタクシーだ。
ヒゲヒゲ・スナイパーは小一時間の散歩で店に向かう。
私達が乗ったタクシーが、マップアプリを操って歩くヒゲヒゲ・スナイパーを追い抜く。
乗せてあげようかとも思った。でも、ほら、突然運転手さんに無理を言って急停車させるのも危ないじゃない。
っつ~か、マジでもう近所だと思っていた。そこからも暫らくタクシーが進むとは思っていなかったのよ。
目指す「一本槍」には表に向かって看板が出ていない。我々はタクシーの運ちゃんが知っていたのでスンナリと入れた。
住所だけをスマホに打ち込んで歩いてきたヒゲヒゲ・スナイパーは隣の焼肉屋に入ってしまった。二階にまで登ってしまった。
それでも兎に角全員が無事にお寿司屋さんに揃った。
ヒゲヒゲ・スナイパーの話では途中で宇宙戦艦ヤマトの像とかが並んでいた。とか、屋台ラーメンが出ていた。とかの報告も聞けた。
さぁ、日本海の幸に囲まれた宴の始まりなのであった。
王子は日本に帰国すると、日本各地の美味いものを飲み食いしているらしい。
ネタと酒は金満援交的な食通王子に任せる。
そして、海産物事業プロのヒゲヒゲ・スナイパーも控えている。
私やイチヂカン中尉といったシロウトの出る場所はないのだ。別に楽をしているわけではない。
先ずは大人しく生ビールだ。そして「梵」「黒龍」「早瀬浦」と呑みまくる。
私自身はウンチクが解っていない。それなのに美味いかどうかは絶対的に判るから困ったもんだ。
アルコールが体内に入ると仮面ライダー・アマゾンに変身するイチヂカン中尉までが一人前にお猪口でピチャピチャ舐めている。
そして大将が選んだネタが絶妙に美味い。
写真どころじゃねぇのよ。美味しさの認識作業で忙しくてな。
ガリも美味い。ヒゲヒゲ・スナイパーと私でガリを500gは消費したはずだ。
どうもこのお店は地元の方々に愛されているお店の様だ。
満席のお客も殆どが地元の方か関係者だ。
あえて電子的な宣伝も行っていないらしい。
知らなければ絶対に入れない店だ。
お店での飲み食いの間は現実世界の竜宮城状態なのであった。
美味さで我が舌もウットリだった。
ヒゲヒゲ・スナイパーもウットリし過ぎて「早瀬浦」を「諫早湾」と注文していた。
同じ頃に横浜のホテルで缶詰状態で仕事をしている情報提供者のKスケ嬢に感謝だ。
最後の締めは大将が油の乗りが今ひとつと言っていた白子の握りだ。私には此のくらいの油の乗りで十分だった。
極上の日本海を食し、純米大吟醸に溺れ、それでも結局日本銀行発行券の一番大きい奴が4枚弱で全てが解決された安さなのであった。
我が人生の中で何度か万札数枚の寿司を食したことはあったが、全部リーマン時代の仕事絡みだった。
独りでもなく、仕事のシガラミでもなく、こんなに美味しい飯が仲間と食せるとは実に幸せである。
もし、将来死刑囚になったら執行前の食事には絶対にリクエストするんだ~一本槍♪。ダメっすか?

 お寿司屋さんを出る。
路地には地元のヤンチャっぽいおに~さん達がラップ音楽の漏れ出る店の前で会議をしている。
ヒゲヒゲ・スナイパーが「大満腹なれど、此処は一つ、無理をしてでも屋台ラーメンを食するべきである!」と宣言する。
私と王子に異議など無い。
ザンビア嬢はお裾分けをもらう気満々である。
歩いて屋台ラーメンへ向かう。お寿司屋さんの女将から「屋台ラーメンならば"ゴンちゃん"を目指せ!」と情報は得てある。
途中でアルカディア号とエメラルダス号の像が。
ヒゲヒゲ・スナイパー曰く「敦賀は松本零士の故郷っすよ。」と教示をもらう。
ん!?福岡じゃねぇの。ま、いっか~なのだ。
そんなことよりもヒゲヒゲ・スナイパーにそそのかされ、イチヂカン中尉のマフラーを頭に巻いてアラブのテロリストゴッコに興じる私は忙しいのだ。
23時近くの敦賀市内。
2tトラックのゴンちゃんラーメン。
私とヒゲヒゲ・スナイパーは控えめに並を頼む。
王子はドーしちゃったのか、大盛りを頼み優越感を漂わせる。
援交オヤジとアラブのテロリストと意識高い系若い衆に連れ出された不法滞在アジアン娘と勘違いしたのか、注文する前から子供用取り椀を、イチヂカン中尉の前に黙って置く定員さん。
豚骨醤油だ。
嗚呼、甘美で素敵なハラムな味だよぅ。
アセトアルデヒドの分解を欲するカラダはラーメンを求めるのだ。
サラリーマン時代、仕事で終電を逃してタクシーで乗り付けた千駄ヶ谷のホープ軒を思い出す。
再びタクシーを拾う。
部屋に戻った私は着替えもせずに即就寝となった。アレッって起きてシャワーを浴びたのは02:00。
その後に再び幸せの眠りに就いた。

0 コメント:

コメントを投稿