2013年10月5日土曜日

ミン・テペ ギャンブル作戦

昨今こんなニュースが有りましたですな。
 9月30日マナド発~ジャカルタ行のライオンエアJT775便で、エアコンが効かないとの理由で乗客が非常ドアを開けてしまったそうな。
乗客は「エアコンは冷風を送らず、暑くて全員が狂いそうだった」と証言している。飛行機は離陸前。非常口から外に出て涼んだそうですが、位置的には翼の上で涼んだんでしょうかね。秋風は心地良かったのかな。赤とんぼと戯れたりとか。


 その事件にさかのぼる事数日。ワタクシはBaliに向かうべく安物チケットを入手してJuanda空港に居座るAir Asia Indonesiaの機上に居た。アナウンスでは45分送れ。実質では90分送れだ。70~80%の搭乗率だ。
ウェブサイトで前以て取った私の席は主翼後方。非常脱出口から3席後方。3列シートの真ん中。
飛行機が動き始める前にCAがライフジャケットとかの実演を始め出した。何気なく目を前にやると、誰も居ない感じだった非常口側座席から黒い細い手が伸びてきた。其のまま非常口レバーのカバーに手をやり、カバーが落ちる。その手の主は予想外だったのか、その拍子になのか、バランスを崩した様子だ。10歳位のガキがレバーに摑まったまま立ち上がりかけやがった。「ワオ!」である。指差しつつ叫んじゃったぃ。別にガキが出発前にシートベルトを着用していない事に驚いた訳じゃない。ガキが座って良い席じゃない。ワタクシとしてはフライトが再び遅れるのが嫌だった。そりだけだ。皆がワシに目をやった後に指差す方向へ視線を移す。CAが慌ててガキに何か叫んだ。いつの間にか勝手に座席を移動したらしい母親とガキを立たせて本来の席に移動させる。母親が不満そうにCAに口答えをしながら、ガキと共に移動した。
 いやね、この行いが既に離陸して巡航高度で行なわれていたら…。まぁ、内開きの非常ドアは気圧差で開かないんじゃねぇかな。離着陸時ならガキはお先にランディングか?下手すれば飛行機の姿勢が崩れて…機長が…「ワドゥ!」って口走るんじゃないか。嗚呼やっぱし到着が遅れるじゃん。インドネシアも退屈させてくれない楽しい国だぜ。
誰もが飛行機に乗るようになって久しいけど、色んな連中が乗ってて楽しいよな。
 因みにワタクシは自分の席に他人が座っている時には丁寧に英語で話しかけるようにしている。
特にDPS行きでは行楽客が多くて楽しそうだ。楽しそうに他人の席を勝手に占領する。
ワタクシ「ここワタクシの席アルヨ。」
楽しい人「ドコの席も同じよ」
ワタクシ「スマンネ。ワタクシの保険では此処に座らないとイケナイアル」
ワタクシ「もしも飛行機が落ちて死んだ時に保険金が出ないアル」
ワタクシ「あなた、ソレ、どー責任取るか?ワタクシの家族怒るアルヨ」
大抵の楽しい表情の人は深刻顔に変化して自分の席に戻るのだ。
行楽だけでDPSに向かうわけじゃないワタクシは気分がイイ。

余談が過ぎた…
長崎屋店内。
皿に残った最後のさつま揚げを口に放り込みビールで流しつつ私は言った。
「ミン・テペへ行くべ」
どぅえ~す魔導師が牛肉うどんの牛肉を摘まみ上げて眺めつつ頷いた。
「ふむ。」
長崎屋で皿に残った最後の唐揚げを口に放り込み生姜風味を堪能しつつ私は言った。
「今回は潮を無視した時刻に潜っては如何か?」
一本のうどんを摘まみあげたどぅえ~す魔導師が応える。
「ほう。」
ま、そんな感じでバリ島に渡りチャンディダサのMinpan, Tepekonの2つのポイントに潜る事になった。
2つのポイントは直線距離で300mも離れていないのかな。海上は何も遮る物が無く、海水で繋がっているだけ。海中はもう少し複雑な地形である。故に海中の流れも複雑である。今迄は安全の為って事で、ワザと魚影の薄い満潮時か干潮時を選んで潜っていた。今回は逆に海がウネウネウゴウゴと忙しくしている最中を狙うのだ。海中がヤバければ即中止。大穴狙いである。正しい観光ダイバーが正しく其の辺の海中生物に感嘆し正しく報告する気など持ち合わせていないのである。
 恐らくこーゆーのは、
毎日のサービス残業・休日自主出勤をやり遂げた後に何とか休暇を取って、
少なくないお金と時間を消費して遠路遙々やってくる、
観光ダイバーには許し難い行為だろうな。チョット波があったからって1本も潜らずにTulambenから日帰りした斬込隊長然り。こーゆー行為も此の国に滞在しているからこそ出来る贅沢かも知れんね。
天気は快晴。朝07:00にSanurを発つ。何時ものショップは、予約注文していた酸素増量32%タンクに対して22~28%の酸素デフレ策が採られている。何時もの事だ。08:30には小船の上。
先ずはMinpan。透明度も魚影も濃い。エントリーポイントにはニタリ・シャークも現れるらしい。大物一点狙い故に濃紺の沖しか見ない。ロト6で万単位の当りには目もくれず只管億単位を目指す馬鹿者ギャンブラー2名。何時ものショップの何時ものサービスの御蔭で潜水時間の半分をディープな潜行で過ごせた。忠実に酸素32%だったら水深33m位が限界じゃけんね。ナイトロックスモードに合わせっ放しのダイビングコンピュータだけがブイブイと不満の警報を垂れる。

二本目Tepekon。水面休憩時間にダイバーを乗せた船3はいやって来る。「お、こやつ等も無茶して潜るのか?」っと思いきやボートに摑まり小用(多分小)を済ませて去っていく。ムッヒッヒ今此の時のTepekon は俺達専用だわぃ。ハグレマグロが急にやって来て此方を一瞥したら去っていく。目当てに当たらなくても問題無し。海中を浮遊するだけで十分気分が良いのだ。以前は2人して水深28m位の急傾斜に20分余りも座り込んでジ~ッと、ボ~ッと深い藍海を眺め続けたりもした。実際には初めて潜る人には喜ばれる生物が沢山居たけどね。

 二本潜っての感想は、潮目云々は余り関係なくて静かなものであった。今回が偶々なのかどうか、舐めてかかるのは禁物だけど今回の海中にはハゲしい流れも無く静かだった。
何れにせよ海中の開放感は気持ちいい。どぅえ~す氏の自慢のカメラは一本目でシャッターが降りっ放し。氏が予定する遠征前にトラブルが見つかって良かったじゃん。ワタシのダイビングコンピュータは相変らず電池切れになった。どうも当地で仕入れる電池にも問題が有るらしい。そろそろコンピュータを買い換えるか。どうせならレアな安物を買って玉砕しちゃる。全面キリル文字表示とかな。
 今回、何時ものショップだが、持ち主がオランダ人からインド人に替わった。早速スタッフに「カレー有る?」と訊ねるのは偏見だよな。新たに打ち出してたヌサ・ペニダツアーが安い。Padanbai 発だけど、ガイドを付けて2本のダイブでアノ価格は常宿のSanur発より安い。ま、態々Sanurからやって来てPadanbaiに向かう物好きも居ないだろうけど。

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