2012年11月29日木曜日

バリへ飛ぶのである


 隊では近場であるバリの海で潜水作戦を展開するのが定番である。
週末を利用するだけでも結構な本数をこなせる事と矢張り綺麗な海がその理由である。
隊員の多くがスラバヤからは空路を利用する。
先日私もスラバヤーバリ間を飛んだのである。
之は其のフライトに於けるスリリングでファニーでコッケティッシュなノンフィクションなのである。


 09:50発の便にチェックインするべく08:40に国内線搭乗口付近でタクシーを降りたのである。
インドネシアには自称他称のVIPが山の様に存在するVIP大国なのである。
VIPは庶民と行動を共にするのを憚る故に、なるべく搭乗口近くに車を寄せさせる。
歩く事は下賎の振舞いなのかも知れぬ。
私が通っていたフィットネスクラブでも少し離れた駐車場に駐車せずに
出入り口付近に強引に駐車をするのは大概高級車なのであった。此の件はいつか別に紹介する。
過っての私はVIPの靴底がボロイからだと勘違いしていた。今も勘違いを継続しているが。
居並ぶダフ屋を掻き分け、寝転ぶオヤヂを踏み越え、散乱するミカンの皮やピーナッツの殻を巧みに踏み避け、セキュリティーを抜ける。
チェックインを終え2階に登ると、アレ?!
空港利用客用の中央スペースと其処の椅子が半減している。
今までのスペースはテナントに差し出されるのだ。
此の国では空路の利用者が年々増えている。
なのに利用客のスペースを減らすのが流儀なのである。
空港管理会社(アンカサプラ)はその内に
「利用客が増え過ぎだよう。場所が足りないよう。建て増しするからお金をクレよう。」
とヘタリア・イタリア風になるのだ。
気の良い間抜けなどこかの国がきっと援助するので心配は無い。
アンカサプラとしても、利用客にサービスしたって銭にならんのである。
テナントならば即現金収入である。此の国では即現金は絶対正義なのである。

 混んでいない筈であるが混んでいるのだ。
ソファーに寝転ぶのは此処では御約束のスタイルなのだ。
って熟睡オヤヂの首からは空港管理会社アンカサプラ職員のIDカードが…

 飛行機が1時間遅れるとの声ががガギグゲゴっぽいBGMと共に高音質スピーカーから流れる。
だが、1時間遅れは普通である。未だ慌てる場面ではないのだ。
平静を装いながら喫煙隔離部屋に入るのである。
此の空港の隔離部屋の灰皿は実に控えめで御淑やかである。
が、内に秘めた不屈の炎と共に噴煙を上げている。
いっその事シンガポールのチャンギー空港の様に屋喫煙所を屋外にしては如何か?
等と考えた浅はかな時もあった。無理だろうなぁ。
絶対吸っていたタバコを其の侭床に供えるよなぁ。
教育的配慮で黒色火薬とかガソリンを床に撒いて置く必要が生じるのか。

 一服をしていたらタダチニ搭乗待合室マデ出頭セヨ。とのアナウンス。
出頭すると係員が外国人の私に英語で説明をするのだ。
12:00頃に出るよ~ん。食事ば用意しとうけん。っと。
そして有無を言わせずに待合室の向かい側のカフェへと連行されるのだ。
嗚呼、リフレッシュメント・タイムだ。
普段の私は其れに従わず自腹で自分の食べたいものを食べに出るのである。
が、今回は試しに行って見る。
スラバヤ・カフェ。ご存知の方がいらっしゃるかもしれないが、20席も無いショボいカフェである。
どうやって一機分の搭乗客を捌くのであろうか。
既に搭乗客が注文カウンターに群がっている。
否、キチンと列を作っている。
日本であれば自然と一列に並ぶのであろう。
インドネシアだって自然と列は出来るのである。同心円状にね♪
後方からのHand-ChargeやAdvantage of Big Voice のローカルルールは当然適用される。
で、出て来たのが此の豪華御膳。100ccのお茶が付く。
此の写真、まだ口は付けていない。出来立てなのである。
スプーン8杯で終わるソト・アヤム(チキンスープ)とクルップに隠された一口ライスは素敵過ぎな初体験だ。
屋台でも此の量の3倍はある。
爽やかな脱力感&白いシャツに付けたスープの飛沫と共にカフェを後にするのであった。
因みに此のセットを普通に注文すると500円位である。
此の場合500円を儲けたよぉ。ラッキーと飛び跳ねるべきか迷うのである。
なるほどインドネシアは金持ちの国なのである。
どうでも良いが空港の利用客の半分がメタボ体型だよな。

 文章が長過ぎて読んでて疲れたっしょ?私も書いていて疲れてきた。
もうとっとと終えてバリに着いたよぅ。メデタシで終えたいのであるがそうはいかないのである。
バリに着いた。
タクシーカウンターに向かう。
ドメスティックならば出口を出て直ぐ左である。
バリの空港で乗れるタクシーはコペラシの一社独占なのである。
客を降ろした流しの青鳥タクシーがそのまま次客を乗せたらコペラシ職員一同に取囲まれてボンネットをボコボコに叩かれていた。って光景を以前に目撃したのである。

 目的地を告げて料金とチケットを交換するのだが、
カウンターのオヤヂと運転手は、お釣りは渡さないと言い張るのである。
しかもワザワザ空っぽの財布を突きつけてきたのである。
普段は温厚な私もブチ切れて、渡した金を奪い返しチケットを叩き付けてしまったのである。
しょうがない。空港の外まで歩いて流しのタクシーを拾う事にした。
…した筈だったが、国際線のタクシーカウンターで再挑戦である。
身構えていたのであるが此の有様なのである。
良い子の皆さんは釣銭を用意してからバリの空港タクシーを利用するべきである。

此の動画を見せたバリの方々は溜息と共に仰る。
「そげんこつになるけんタクシーは使わんとよ。
    面倒でも迎えの車やバイクを呼ばんといかんたい。
        なんばしよっとね。ほんなこつ。」
雲助ってば…全く癒しの島なのである。
プロフェッショナリズムが満ち溢れ過ぎて滓が浮いているのである。
きっとハワイよりもニースよりも沖縄よりも素敵なリゾート地なのである。

 怒るのは良くない。
っと、訳知り顔で語る方もいらっしゃるであろう。
私も偶にはそう思う。
んがぁ!如何なのであろうか?
怒るのは同じ人間として認めているからでもあるのだ。
人間として認めていなければ怒る事もあるまい。
ヘラヘラで済ますのも一つの手である。
その辺が此の国で暮らす難しさでもあるのだ。

 ん?写真がショボ過ぎるって?
そうなのである。Docomo携帯を極接写モードに設定していたのを忘れていたのである。
何を接写していたのかって?
   そりは大人の事情なのである。ムフフ…

記:もつ

3 件のコメント:

  1. 結局HTML表示で言語を思い出しながら動画をぶち込む方が捗ったですよ。
    ↓人による操作であることを証明してください
    って所は相変わらず老眼爺にはつらいのう。

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  2. G3-k
    試しに見てみました

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  3. いらっしゃ~~ぃ。

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